こんな俺らでも。2

年末年始の男たち。2 ページ5

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紫side


嫌でも聞こえてきてしまう、俺らへの偏見。

他のふたりに聞こえてなきゃいいなって思ったけど

照には聞こえてたかな。

嫌な顔してたしね。


買い物中も歩き方が変だから

めっちゃ見られるし

純粋な子供に何あの人〜って言われちゃうし。

その子のお母さんが咄嗟に口を覆ってたけど

「見ちゃダメよ」って。

見ちゃいけないものを見たかのように子供に諭す。

そういう意味で言ったわけじゃないのかもしれないけど

こっちからしたらそう感じちゃうんだよね。



橙「ふっかさん？大丈夫か？」

紫「ん？なにが？」

橙「いや、ぼーっとしとったから疲れたかなって」

紫「平気、平気〜」


人工内耳に慣れてきた康二が心配して話しかけてくれた。

照も気使ってカフェで休憩しようって言ってくれた。



やっぱり俺らは

人と違う。

普通じゃない。

でも、他の人と同じ暮らしができる。

なのになにが違うのだろうか…

障がい という壁はおおきすぎるものだ。

考えたらキリがない。


いつも通りを装って買い物をして

家に帰る。

楽しかったな〜って言ってるふたりに合わせて

楽しかったねと返事をする。

でも、、

本当は心の底から楽しめていない。

全く楽しくなかったわけじゃないけど、

変なことが頭の片隅にずっとあって、

邪魔なモヤモヤがなくならなかった。

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