韓国人のBoyfriend【JK】4【特別編】

32話【JK】 ページ32

そうだよ、ヌナは結婚するんだ。


今さら俺になんでこんな事言うんだよ。



〈グクが私の気持ち信じてくれないから。
だから、大邱で出会った人と付き合いだして、
結婚しようって言ってもらえて、
もうグクの事は忘れようって、そう思って〉




泣き出すヌナを見ていられなくて、
靴を脱ぐと、
ヌナに近付いて、彼女の頬に流れてる涙を拭った。





JK『泣かないでよ、』


ヌナが泣いてるとこは、もう見たくない。


〈でも、やっぱり忘れられなくて。
結婚する前に、もう一度グクに会いたくて、
釜山に来たの。
そしたら、やっぱり気持ち抑えられなくなって〉





泣きながら言葉を紡ぐヌナは、
素直で、年上なのに、幼く見えて、
ぎゅっと胸が苦しくなった。


ヌナの気持ちが、
正直嬉しかった。





〈私だったら、アメリカなんか行かないよ。
グクの側にいて、お店手伝う。
Aちゃんみたいに自分勝手な事なんてしない、〉





JK『…………ヌナ？』




ヌナの髪はまだ濡れてる。
その綺麗な髪にそっと触れる。






JK『俺ね、ずっとずっと、
マジでヌナが好きだった。
どんなにヌナが俺を見てなくても、
俺にはヌナしかいないって、
他の人を好きになんかなれないって、
そう思ってた』







でも、
でもさ、





JK『だけど、今は違う。
俺は今はAちゃんが好きなんだ。』



〈……あの子のどこがいいの？〉








どこがなんて分かんない。

説明出来ない。


ヌナを好きだった時に、
ヌナの好きなとこ聞かれたら
いくらでも言えた気がすんのに。




JK『分かんないけど、多分、
嫌いなとこも含めて全部好き』




好きに理由なんて要らないじゃん。




JK『俺にとって、ヌナはこの先もずっと大切な人で、それは変わんなくて。
今もヌナの幸せは祈ってるよ。
でも、俺の手で幸せにしてあげたいって思うのはAちゃんだけなんだ。』





そう言うと、ヌナは小さい声で、
〈分かった〉って言った。



震える肩をそっと抱き締めて、
ヌナが落ちつくように背中をぽんぽんと擦った。








ズボンに入ってる携帯が揺れてる。

多分、Aちゃんだ。


ごめん。今だけは、
ヌナが泣き止むまで、こうしてあげたいんだ。

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