31話【JK】 ページ31
JK『服、乾いた?』
〈うん、〉
JK『よかった。
靴、こんなのしかなかった』
真っ黒な作業用の分厚い靴を見せると、
ヌナは笑った。
〈ありがと、助かる〉
玄関の前には雨の雫で染みが出来ていた。
誰かが傘を置いてたような、
そんな染み。
俺とヌナの傘は風が強いから、
部屋の中に入れてたのに。
JK『俺がいない間、誰か来た?』
〈えっ?誰もきてないよ、〉
そうだよね。
こんな時間に誰が来るんだよ。
JK『ヌナ、服、着替えてきて?
風呂場使っていいから。タクシーまで送るよ』
もう1時だ。
ヌナを送って、
Aちゃんに連絡しなきゃ。
俺は、ヌナが着替えたら
また直ぐに外に出るから、
玄関に突っ立ったままだった。
そんな俺を、ヌナは見つめる。
〈グク、帰る前に話したいことがあるの、〉
JK『………なに?』
〈私、グクが好きだよ〉
俺の服を着て、
俺の方に近付いて、
ヌナはそう言った。
テレビもついてない部屋は
自分の鼓動の音が響いて聞こえて、
嫌な気分になる。
JK『何言ってんの?』
〈グクが好きなの〉
JK『そういう冗談、無理』
〈冗談じゃないよ。
どうして私の気持ちに気づかないふりするの?〉
気づかないふり?
それは昔のヌナに言いたいよ。
いつだって、俺の気持ちを無視してきたじゃんか。
〈ジミンに傷つけられてばっかだった私を、
グクがいつも助けてくれた。
どんな時だって側にいてくれた。
あの日、グクが一晩中一緒にいてくれた時、
気づいたの。
私は、グクと一緒にいると
ほんとの自分でいられるって。
ジミンじゃない、私にはグクが必要なんだって。〉
意味が分からなかった。
分かりたくなかった。
だってヌナにとって俺は……………
ただ寂しさを埋めるだけの
存在だったじゃん?
JK『じゃあ、何で他の男と結婚すんだよ』
1425人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moka(プロフ) - みのすけさん» みのすけさん、早速ありがとうございます!好きと言ってもらえて嬉しいです💕 (4月24日 6時) (レス) id: 13af285613 (このIDを非表示/違反報告)
みのすけ(プロフ) - mokaさーん!早速読みに来ました⭐︎ すれ違っちゃうのー!とハラハラしながら一気に読んじゃいました。mokaさんのお話好き🥰 (4月23日 17時) (レス) @page49 id: fb37bccf1b (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - さゆみん?さん» さゆみんさん、楽しみにしてもらえてたのが嬉しいです♡ありがとうございます💕いつかラブラブな二人をお見せできたら……😌♡ (3月22日 16時) (レス) id: 13af285613 (このIDを非表示/違反報告)
さゆみん?(プロフ) - 毎回一番に更新楽しみに読んでました!ご迷惑じゃなければ、その後の二人のラブラブな生活とかジンくんとかに報告したのを見てみたいです(^^) (3月22日 9時) (レス) @page50 id: 6af05c8434 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - 星那さん» 星那さん、見守って頂きほんとにありがとうございました♡すれ違ってばかりの二人だったので、ただラブラブな二人もみて頂きたいです😌 (3月18日 6時) (レス) id: 13af285613 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:moka | 作成日時:2024年2月16日 17時